2017年3月1日
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季節は、少しずつ春へと向かっていた。 天使に変身したばかりのたぬきは、未だ 背中の羽が生え揃わずにはいるものの、 頭上でキラキラと光るリングをうれしそうに見上げては鼻歌を歌い、 記憶の森以来、相棒となった海馬の世話に勤しんでいる。 お陰で、最近の海馬の活躍ぶりは、なかなか頼もしい。 昔たぬきが、いとも雑把に記憶の森へと放り込み、もはや 「アレ」「コレ」「ソレ」としか認識されなくなってしまった事象の数々が 一体、なんのことを指し示すのか、 具体化するのを助けてくれるようになった。 さらに、本来桃太郎の傍にいたはずの犬、猿、キジを 昔話の森から探し出し、仲間に加えていた。 すこぶる賑やかになった一行が、少し開けた原っぱに出た時。 桃太郎がふと立ち止まり、「さぁて」と、 腰につけた物をゴソゴソと探りだした。 「骨かなぁ」 舌なめずりしながら犬が言った。 「バナナがいい」 負けじと猿。 「虫」 ボソッと、控えめにキジ。 「私はチョコレートがいいな。 だってほら、 私をシンボルにしたチョコレート会社だってあるのよ」と、 天使姿のたぬきが頭上のリングを指差し、夢見心地に歌いだした。 「きびだんごです!」 巡り出した妄想を遮るかのように、ピシャリと海馬が言った。 ここで「ニンジン」とか言い出さないところが、さすが海の馬。 「桃太郎さんが‘お腰につけた’とくれば‘きびだんご’、常識です。 桃太郎さんは、気前いいですよ、 ‘一つ私に下さいな’と言えば、二つ返事で下さいます、 ‘あげましょうあげましょう’ってね。」 そう続けた。 「きびだんご! あぁアレ美味しいわよね~特にアノ、木箱に入った アソコのアレ、えっとナンだっけ、岡山のナンタラとかいう老舗の…」 要領を得ない天使に、業を煮やした海馬が 口を差し挟もうとしたまさにその瞬間、 桃太郎が「はい、どうぞ」と、手の平に粒粒を載せて差し出した。 「あれ? きびだんごと違う…」面目の危機にうろたえる海馬に、 桃太郎がにっこりしながらこう続けた。 「これはね、種だよ、話のタネ…ヒントというか、きっかけでもあるかな。 この冒険は‘書く冒険’だからね。 だからきびだんごじゃなくて、 代わりに君たちには種をあげようと思うんだ。 この種を、みんながこう、それぞれ心の中にまいた時、 自分という土壌の中で一体どんな風に育つのか、育てていきたいのか、 楽しみながら日誌をつけてみるのはどうかと思うんだ。」 「種か。 なんかちょっと、ワクワクするね。」 一同は大事そうに種を受け取りながら、 これから繰り広げられる書く冒険への、 まだ見ぬ花や実りに期待を膨らませていくのであった。
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みんなありがとう

2017年2月28日
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九年ぶりに公開でヒーリング・ライティングをしました。とても楽しかったです。ご参加下さったみなさん、ありがとうございました。 今晩参加した皆さんが、いろんな場所でいろんな表現を始めることを楽しみにしています。 以下が今夜のまとめです。箇条書きだとわかりにくいかもしれませんけど、参考にして下さい。 今日のまとめ 「ヒーリング・ライティング・ワークショップ第1回『書く冒険』」 BOOCSダイエットの基本二原則 1.自分で自分を禁止、抑制することをできる限りしない。 2.自分にとって心地よいことをひとつでも開始する。
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記憶の森

2017年2月25日
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冒険の旅へと歩き始めると、 ふと、桃太郎がこう言った。 「あのさ。 供についてインタビューしたいんだけど。 この冒険、ボクは‘他人について書く’っていうのを テーマにしようと思ってるんだ。」 「え? でも私、フツーのたぬきだし… 書けることなんてあるのかしら○△シノゴノ◇×ロクノナナノ…」。 他ならぬ桃太郎の頼みに、なんとなく、 まずは記憶の森をさかのぼることになった。 記憶の森は手ごわい。  朧と曖昧が鬱蒼とし、脈絡不明も多々。 とりあえず、奥の馬屋から海馬を召しだしてくるが、 しかしこの馬、野駆けが久しぶり過ぎて いくらムチ打っても迷走したり脱線しまくる。 日頃からてきとーにきちんと鍛練しておくべきだった。 「あぁ、桃太郎さんごめんなさい。 あんなのじゃ きっと記事になんてまとまらないわ。」 反省したたぬきは、それから少しずつ海馬をなだめすかし、 あらためて記憶の森へと戻って行った。 機嫌を取り戻した海馬とともに持ち帰った手土産が、 9455文字の記憶のかけらたち。 「ひゃぁぁ、そんなになったか~」と自分が一番びっくりしている。 桃太郎にとってありがたいものだったのか迷惑だったのかは この際、気にしないことにするとして、、、 果たして朧と曖昧だらけだった記憶の森には うっすらとながら陽射しが注ぐようになり、 たぬきは、桃太郎によって天使へと変身していたのであった。
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天使の軌跡は続いてく

2017年2月23日
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書く冒険に何を書こうかと考えた。 『日刊 気持ちいいもの』の2017年1月31日にこう書いた。 「他人のことを書く」 僕はあまりネット上に他人のことは書かない。 ほめるとか、けなすとかいうことは簡単に書けるが、 その人のことを書くというのは、 僕からだけの視点では一面的だから。 その人が僕に会っているときだけの 雰囲気しか書けない。 それはその人を書いたことにはならない。 だから、取材もなしに書く Blogのような場所には滅多に 他人のことは書かない。 書くとするなら、 きちんと書きたいよね。 これが引っかかっていたので、誰かのインタビューを書こうと思っていた。でもいったい誰がいいだろうか? そこでキラリとひらめいたのが、今度ヒーリング・ライティングでアシスタントをしてもらう亜紀ちゃんだ。ワークショップに参加していればきっと次第にどんな人かはわかるだろうけど、もしここにインタビューを載せたら、さらにいろんなことがわかって話しやすくなるだろうと思った。そこで亜紀ちゃんに相談してみる。 「あのさ、かくかくしかじか」 すると快諾を得た。 そこである日、ある喫茶店でインタビュー敢行。 iPhoneで映像まで撮ってインタビューする。 すると「え、映像まで撮るの、うふふ」と言って、なんとなくOKになる。 たいていの人は、まずインタビューされるのを嫌がるだろう。それにOKし、映像を撮ることまで了解してくれるこの心の広さ。なんということだ。 一時間ほどインタビューした。 亜紀ちゃんは元CA。僕の若い頃はスチュワーデスと呼ばれていた。なぜそのCAになったのかから話は始まる。
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はじめまして

2017年2月2日
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とある師走の昼下りのこと。  まどろみの森を彷徨っていると 桃太郎が声をかけてきた。 「これから『書く冒険』に出かけようと思うんだけど、 一緒に行かないかい?」 ワンッ! とシッポを振ったか、 キャッキャッ! と跳び跳ねたか、 ケーン! と優雅に羽を広げたか、、、 お供となった私については そのうち、追い追いに。 ちなみに、いつぞや流行った動物占いによると、 私はタヌキ。 きっと、ひと味違った冒険の世界へ。 どうぞよろしくお願い致します。 ~aki♪
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ツナ缶タマネギの危機

2017年1月31日
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ツナ缶タマネギの危機

うちに食パンがあったので、朝食にオープンサンドを作る。ベタな「ツナ缶&タマネギwithマヨネーズ」を載せようと思う。 ツナ缶を取り出し、マヨネーズを確認し、そしてタマネギを探す。が、ない。 タマネギがない。 一次企画は破綻した。さてどうするべきか。冷蔵庫をゴソゴソ。するとミョウガとネギを見つける。これをタマネギの代わりにできないか。頭の中でシュミレーション。なんとかなりそうだ。だけどときどき化学変化でとんでもない味のものができることがある。もう一度頭の中でシミュレーション。ん? シュミレーションかシミュレーションか? そんなことはいまはどうでもいい。とにかくオープンサンドの具が美味しければいいのだ。 なんとかなりそうと思い、実際に作る。
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