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リフレーミング

2017年3月4日
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桃太郎がくれた種の中に、こんな種があった。 “リフレーミング” ン? ナンダ? ソレ… 「アレじゃないか、ほら、 キミたち猿の社会でいつもお互いがやり合う、あの 全身のノミ取りごっこみたいなの。」 「あぁそれ、‘グルーミング’ね。 それなら桃太郎さんも時々やってるよ、丁寧にマゲを結い直したりとかさ。 だけど一人でしてるから、ちゃんとノミまで取れてるかは分からないけど。 むしろさ、キミの仲間のプードルとかテリアなんかが ロン毛をオシャレに刈り込んで貰ったりする、アレのことじゃないの?」 「犬の世界じゃ‘トリミング’って言うんだよ。」 「鳥的には、虫な気がする…‘グローウォーム’っていう光る幼虫がいるんだけど なんとなくそれに響きが似てるから、親戚のようなものじゃないかと。 ニュージーランドのだから、食べたことはまだないんだけどね。」 三角パス回しのような彼らの会話が、 少しずつ、ずれた方向に進んで行っていると感じてはいるものの、 天使と海馬は、そこにパスを継ぐことができない。 それもそのはず、天使の記憶の森には‘リフレーミング’という言葉自体がないのだ。 いくら、過去の忘れた記憶を探し出すのが得意な海馬でも、 ハナから知らない物事を探しに行くのは、ムリなのだ。 「じゃあ説明しよう。 直訳すれば‘フレーム’=つまり枠組みを、 ‘リフレーム’=組み替える、ってことだよ。」 桃太郎曰く、 一つの物事でも、違った視点から眺め直してみることによって、 同じ物事に対する受け留め方が、全然違ってくるよね、と。 例えば「リフレーミングという言葉を知らなかった…恥ずかしい、悲しい」を、 「今、新しくリフレーミングという言葉と方法を知った」と捉え直すならば、 「知識が増えた、うれしい」って、前向きな気持ちになれるよね…ということ。 弱気になった時は、いつも勇気を与えてくれそうな、 そんな花が咲くイメージを描きつつ、 心の庭に、リフレーミングという種をまく。
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2017年3月1日
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季節は、少しずつ春へと向かっていた。 天使に変身したばかりのたぬきは、未だ 背中の羽が生え揃わずにはいるものの、 頭上でキラキラと光るリングをうれしそうに見上げては鼻歌を歌い、 記憶の森以来、相棒となった海馬の世話に勤しんでいる。 お陰で、最近の海馬の活躍ぶりは、なかなか頼もしい。 昔たぬきが、いとも雑把に記憶の森へと放り込み、もはや 「アレ」「コレ」「ソレ」としか認識されなくなってしまった事象の数々が 一体、なんのことを指し示すのか、 具体化するのを助けてくれるようになった。 さらに、本来桃太郎の傍にいたはずの犬、猿、キジを 昔話の森から探し出し、仲間に加えていた。 すこぶる賑やかになった一行が、少し開けた原っぱに出た時。 桃太郎がふと立ち止まり、「さぁて」と、 腰につけた物をゴソゴソと探りだした。 「骨かなぁ」 舌なめずりしながら犬が言った。 「バナナがいい」 負けじと猿。 「虫」 ボソッと、控えめにキジ。 「私はチョコレートがいいな。 だってほら、 私をシンボルにしたチョコレート会社だってあるのよ」と、 天使姿のたぬきが頭上のリングを指差し、夢見心地に歌いだした。 「きびだんごです!」 巡り出した妄想を遮るかのように、ピシャリと海馬が言った。 ここで「ニンジン」とか言い出さないところが、さすが海の馬。 「桃太郎さんが‘お腰につけた’とくれば‘きびだんご’、常識です。 桃太郎さんは、気前いいですよ、 ‘一つ私に下さいな’と言えば、二つ返事で下さいます、 ‘あげましょうあげましょう’ってね。」 そう続けた。 「きびだんご! あぁアレ美味しいわよね~特にアノ、木箱に入った アソコのアレ、えっとナンだっけ、岡山のナンタラとかいう老舗の…」 要領を得ない天使に、業を煮やした海馬が 口を差し挟もうとしたまさにその瞬間、 桃太郎が「はい、どうぞ」と、手の平に粒粒を載せて差し出した。 「あれ? きびだんごと違う…」面目の危機にうろたえる海馬に、 桃太郎がにっこりしながらこう続けた。 「これはね、種だよ、話のタネ…ヒントというか、きっかけでもあるかな。 この冒険は‘書く冒険’だからね。 だからきびだんごじゃなくて、 代わりに君たちには種をあげようと思うんだ。 この種を、みんながこう、それぞれ心の中にまいた時、 自分という土壌の中で一体どんな風に育つのか、育てていきたいのか、 楽しみながら日誌をつけてみるのはどうかと思うんだ。」 「種か。 なんかちょっと、ワクワクするね。」 一同は大事そうに種を受け取りながら、 これから繰り広げられる書く冒険への、 まだ見ぬ花や実りに期待を膨らませていくのであった。
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記憶の森

2017年2月25日
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冒険の旅へと歩き始めると、 ふと、桃太郎がこう言った。 「あのさ。 供についてインタビューしたいんだけど。 この冒険、ボクは‘他人について書く’っていうのを テーマにしようと思ってるんだ。」 「え? でも私、フツーのたぬきだし… 書けることなんてあるのかしら○△シノゴノ◇×ロクノナナノ…」。 他ならぬ桃太郎の頼みに、なんとなく、 まずは記憶の森をさかのぼることになった。 記憶の森は手ごわい。  朧と曖昧が鬱蒼とし、脈絡不明も多々。 とりあえず、奥の馬屋から海馬を召しだしてくるが、 しかしこの馬、野駆けが久しぶり過ぎて いくらムチ打っても迷走したり脱線しまくる。 日頃からてきとーにきちんと鍛練しておくべきだった。 「あぁ、桃太郎さんごめんなさい。 あんなのじゃ きっと記事になんてまとまらないわ。」 反省したたぬきは、それから少しずつ海馬をなだめすかし、 あらためて記憶の森へと戻って行った。 機嫌を取り戻した海馬とともに持ち帰った手土産が、 9455文字の記憶のかけらたち。 「ひゃぁぁ、そんなになったか~」と自分が一番びっくりしている。 桃太郎にとってありがたいものだったのか迷惑だったのかは この際、気にしないことにするとして、、、 果たして朧と曖昧だらけだった記憶の森には うっすらとながら陽射しが注ぐようになり、 たぬきは、桃太郎によって天使へと変身していたのであった。
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はじめまして

2017年2月2日
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とある師走の昼下りのこと。  まどろみの森を彷徨っていると 桃太郎が声をかけてきた。 「これから『書く冒険』に出かけようと思うんだけど、 一緒に行かないかい?」 ワンッ! とシッポを振ったか、 キャッキャッ! と跳び跳ねたか、 ケーン! と優雅に羽を広げたか、、、 お供となった私については そのうち、追い追いに。 ちなみに、いつぞや流行った動物占いによると、 私はタヌキ。 きっと、ひと味違った冒険の世界へ。 どうぞよろしくお願い致します。 ~aki♪
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